生殖細胞系列遺伝子変異(Germline mutation)
この記事では、「生殖細胞系列遺伝子変異(Germline mutation)」とは何か、また、体細胞遺伝子変異(Somatic mutation)との違いなどを、専門知識がなくても理解できるように解説します。
🧬 そもそも「遺伝子変異」とは?
遺伝子は、私たちの体の設計図です。
この設計図に文字の書き間違いのような変化が起こることを、遺伝子変異(mutation)と呼びます。
多くは問題ありませんが、一部は体質や病気に関係しています。
また、一部では進化の原動力になることもあります。
誤解されやすいですが、遺伝子変異=悪者ではありません。
👶 生殖細胞系列遺伝子変異(Germline mutation)とは?
簡単に言うと、「親から子へ受け継がれる可能性のある遺伝子変異」です。
この遺伝子変異は、精子や卵子で起こります。
特徴としては、生まれた瞬間から 全身の細胞に同じ変異があり、次の世代に遺伝する可能性があります。
🔹 イメージ:本の原稿(DNA)を印刷する前に誤字が入った状態→ すべての本(体の細胞)に同じ誤字が載る
🧫 体細胞遺伝子変異(Somatic mutation)とは?
簡単に言うと、「生まれた後、体の一部の細胞で起こる遺伝子変異」です。
この遺伝子変異は、皮膚や肝臓、脳 などで起こります。
原因は、紫外線や喫煙、加齢、細胞分裂のエラーなどです。
特徴は、一部の細胞だけに起こり、子どもには遺伝しない。また、がんの原因になることがあります。
🔹 イメージ:印刷後の本の1ページにだけ書き込みが加えられた状態→ 他の本や次の版には影響しない
🔍 Germline mutation と Somatic mutation の違い
| 項目 | 生殖細胞系列変異 | 体細胞変異 |
|---|---|---|
| 起こる時期 | 生まれる前 | 生まれた後 |
| 起こる場所 | 精子・卵子 | 体の細胞 |
| 全身への影響 | あり | なし(一部のみ) |
| 子どもへの遺伝 | あり得る | ない |
| 代表的な関連 | 遺伝性疾患 | がん・老化 |
