オメガ3脂肪酸が“老化”を遅らせる?若さを守る3つの習慣

「いつまでも若々しくいたい」「健康に年を重ねたい」
そんな願いは誰もが抱くものですが、実際に“老化を遅らせる”方法はあるのでしょうか?

2025年2月に発表された国際研究によると、「オメガ3脂肪酸、ビタミンD、そして軽い運動」という3つの要因が、分子レベルで老化のスピードを遅らせることが証明されました。

🔬高齢者1,000人以上を対象とした研究

スイスを中心とした5カ国で行われたこの研究は、「DO-HEALTH」と呼ばれる国際的な臨床試験です。

参加者は平均75歳の健康な高齢者777人でした。

この研究では、以下の習慣について調べられました:

・ ビタミンD(1日2,000 IU)のサプリメントを毎日飲む

・ オメガ3脂肪酸(EPA + DHA)の魚油サプリメントを毎日飲む

・ 自宅での週3回、30分間の軽い自宅トレーニング(主に下半身)を行う

参加者は、各習慣の有無に基づいて8つのグループにランダムに分けられ、それぞれ異なる習慣の組み合わせで3年間生活してもらいました。

⏳測定されたのは「DNAに刻まれた老化の痕跡」

この研究が他と違うのは、“老化”の測定方法です。
使われたのはDNAメチル化クロックと呼ばれる、遺伝子のスイッチの入り方をもとに生物学的年齢を推定する最新技術です。

つまり、ただ「見た目」や「病気の有無」ではなく、遺伝子レベルでどれだけ老化が進んでいるかを正確に測ったのです。

🧪驚きの結果:オメガ3だけで老化が遅くなる?

最も顕著な結果が見られたのは、オメガ3脂肪酸を摂取したグループでした。
このグループでは、老化時計の進み方(=エピジェネティック年齢の進行)が平均3.3か月分遅くなっていたのです。

しかも、オメガ3脂肪酸は老化関連タンパク質(PAI-1、TIMP-1、レプチンなど)にも好影響を与えていたことがわかりました。

また、ビタミンDや筋トレ単独では効果は限定的でしたが、3つを組み合わせたグループでは老化抑制効果がより強く現れる傾向がありました。

🧠なぜオメガ3脂肪酸が効くのか?

オメガ3脂肪酸には、以下のような生物学的効果が知られています:

🔹 炎症の抑制

🔹 細胞膜の柔軟性を保つ

🔹 心血管系の健康維持

🔹 神経保護作用(うつ・認知症リスクの低下)

今回の研究ではこれらの作用が、“遺伝子の老化”にも良い影響を与えている可能性があると示されたのです。

✅まとめ:老化を遅らせる3つの習慣

この研究から導かれる「老けにくい人の習慣」は、意外にもシンプルです:

・オメガ3脂肪酸を毎日摂る(魚 or サプリ)

・適切なビタミンDを補う(日光 or サプリ)

・無理なく継続できる運動(週3回の筋トレ)

この研究では、オメガ3脂肪酸が老化の進行を遅らせる可能性が示されましたが、長期的な効果までは分かりませんでした。

また、観察された効果はあくまで分子レベルの変化(DNAメチル化)であり、実際の病気予防や寿命延長が保証されたわけではない点に注意が必要です。

とはいえ、老化の速度は遺伝だけで決まるものではなく、どのような行動をするか(生活習慣など)も大きく影響します。
あなたの今日の選択が、10年後の若さをつくるのです。

Maier, A. B., Hangelbroek, R. W. J., & Stenbäck, V. (2024).
Individual and additive effects of vitamin D, omega-3 and exercise on DNA methylation clocks of biological aging in older adults from the DO-HEALTH trial. npj Aging, 10, 9. https://doi.org/10.1038/s43587-024-00793-y

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